わらじワールド
コロラド在住の写真家のブログ
砂丘に写真集出版の報告とお礼に行ってきました
2月6日(水曜日)大きな寒波が通り抜け、次の寒波が到着する合間の時間を狙って砂丘に向いました。通い慣れた片道約4時間の道のり。途中は積もった雪が舞い、路上を凍結させている地吹雪状態があったり、時々車を横に押し出すような突風がある日でした。砂丘に到着した時には太陽が雲の合間からでていて砂丘を照らしていましたが、残雪もほとんどなく背景の真っ白なロッキーの山々と対照的に静かで地味な表情で横たわっていました。

ビジターセンターでいつも世話になっているスタッフ3人と再会し、写真集の話をしてから砂丘郡に足を向けた時には太陽は雲に隠れて暗い景観が目の前に広がっていました。歩き始めているうちに砂丘背景の山々が雲でみえなくなり、そのうちに砂丘頂上付近がかすみ始めました。雪が降り出したのは、その少し後で小雪が私たちを出迎えてくれました。残雪の砂丘の撮影は以前しており写真集にも作品を含めていますが、小雪のすぐ後に出迎えてくれた吹雪には驚きました。気がついたら吹雪の中に立っていました。周りはかすんで見えなくなり、歩いていると方向感覚がなくなるほどでした。遭難の可能性がでていたと気づいたのはずっと後だったのですが、その時は何の恐怖感もなくただ歩き続けていました。020608_4.jpg

吐く息が三脚ヘッド(雲台)付近について白く結晶となって固まりました。撮影しているとちょっとついた吐息の湿気が指と機材にくっつく接着作用さえ見せてくれる気温。氷点下20℃前後だったでしょうか。横なぶりに舞い散る雪が出迎えてくれた精霊たちのようにも思えました。

30分ほどすると雪雲が通り抜け青空が見え始めました。あれだけ地味であった砂丘が一瞬にして銀世界と化し、自分自身がその中に立っていることに気づいた時、感動が湧き上がりました。写真集出版の報告とお礼をしに来たことを察しているかのように、頼んでも出会えないような情景を与えてくれたのだと感じました。これはひょっとすると挑戦状だったのかもしれません。「まだまだ魅せるぞ」「もっと捉えてみなさい。」というような声が聞こえたような気がしました。

020608_20.jpg 積もったばかりの雪は砂紋にのって、気温が低かったために太陽光を受けても解けずに結晶をそのまま見せながらレンズの前で微笑んでくれました。

自然というものは、大きく素晴らしいものです。自分が写真というものを通して捉えられるものを魅せてくれる大きな懐を開いてくれています。同時に私自身の感性をより一層磨かせてくれるチャンスも与えてくれています。数年に渡って撮影を続けてきたことが写真集出版に至っている経過を振り返ると、きっと私を通して自然が何かを皆さんに伝えようとしているのではないかという気持ちが強くなってきます。

あと少しで出版です。どうかお楽しみに。
写真集出版における最終プロセスに入りました
風景写真社よりEMSにて最終校正ドキュメントが2月8日に到着しました。いよいよという感じが更に強くなってきていますが、色校正や文章部分の確認などを始めています。ちょうど日本は三連休なので、週明けの火曜日(日本時間)には確認を取れあうと思います。

週末前に届いてくれたのは編集担当者の方の気持ちが通じたお陰だと思います。通常EMSは5ビジネスデイと言われ5〜7日かかるということです。以前コロラドから日本にEMSを送った時に3日で届いたことがあり驚きましたが、今回は日本からコロラドになんと2日で届きました。腰を抜かす早さでした。神がかりかなあ。(笑)このタイミングで届いてくれたので週末を使ってじっくり確認や校正ができます。

4月4日の発売に向っていよいよ最後の大詰めです。出版を楽しみにお待ち頂いている皆さんのお気持ちも届いていると思います。

あと少しとなりました。
2月5日の積雪ここ数年は異常気象の影響なのか「例年の」と表現されるような典型的な天気のパターンがみられませんでした。夏は一週間周期で大きな雷雨が訪れたりしていたもので、冬も同様に1週間おきにスノーストームが到来したものですが、今季はそんな例年並パターンが戻ってきたようによく雪が降ります。

とはいってもデンバー首都圏においては豪雪というほどではないものでせいぜい30センチ位でしょうか。ここ数日間も幾つかの寒気団が通過して積雪を記録しました。少し驚いているのは州南西部地域の豪雪なんですが、過去数十年間の平均値を基準にして150%以上も降っているようなんです。場所によっては2メートルを超える積雪があり雪に閉じ込められている住民もいるのでは?もっと心配なのは野性動物たちで、冬は雪を掘っては下の草地まで顔を入れて食べるのですが、積雪が多すぎて草まで掘っていけない状態が続いています。州政府の野生動物管理局では特別命令を出して干し草や飼料をボランティアや職員の手で撒いています。

どこまで自然でどこまで人口なのか?自然というものは少しの変動で生態系に大きな影響を与えることがあります。アメリカでは国定森林や国立・国定公園、州立公園などで野生動物の「管理」をしていますが、人間の驕りが感じられないわけではなく犠牲となる動物たちのことを考えます。

スウェーデンのエーランド島で牧畜をする人たちが1000年近くも自然と協調して行っている家畜と厳しい石灰質土壌に生きる植物とのバランスの話を聞いたことがあります。牧草地は限られた期間に干し草を蓄えて冬季を乗り切るのですが、荒地で牧畜ができないエリア(島の中央部で島全体のメジョリティーを占める面積)に牛を放つ時は頭数を慎重に考慮して古来からの伝統として行っているようです。それゆえに1000年前から生態系は変わっていないとか。

以前アマゾンの奥地に住む原住民の話を聞きました。貯蔵庫を持たず原始的な生活をする彼らに、近代人が「食べ物がなくなったらどうする?困らないのか?」と聞いたら、ある原住民が「森に行けばある」と笑顔で答えたそうです。とり過ぎず破壊せず共存していれば、という当たり前の自然に対する姿勢を再認識させられると共に、「先進国」ほど破壊と崩壊に向っている事実を痛感しました。
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